ニッポンの、みせものやさん
2013年 03月 15日
渋谷UPLINKでドキュメンタリー映画「ニッポンの、みせものやさん」を観てきた。
大寅興行社の見世物小屋を10年ほど追いかけた作品、監督は奥谷洋一郎氏。
小屋掛けや撤収風景などが興味深かった。
北海道で細々と興行されているオートバイサーカスも紹介されていて貴重な映像だ。
さてこの作品でもっとも印象的だったのは興行主の大野裕子さん。
半世紀以上、見世物興行をやってきて、その苦労は大変なものだったのではないかと思うが、
そんなことを微塵も感じさせず、優しくて懐の深い慈母観音のような人だ。
裕子さんの親友で、かつてライバルだった見世物小屋のムネオさんも印象的。
見世物小屋をやめたムネオさんは子供相手のダーツや射的屋台に転じていた。ワタクシもムネオさんの屋台の前を通っていたのだろうか。ムネオさんは撮影中に亡くなった。
ムネオさんは精巧な見世物小屋の模型を残していった。
戦後、大寅が立ち上がったときから出演しているお峰太夫、おそらく70代と思われる。
彼女はこの映画でも絶対にすっぴんを撮らせなかった。凛とした女優魂だ。
2012年現在、見世物小屋興行をやっているのは大寅興行社だけとされている。
見世物小屋興行は年に二箇所程度だがお化け屋敷興行はもうすこし多いようだ。
東京ではお盆の靖国神社「みたままつり」、11月の新宿花園神社「酉の市」に見世物小屋がかかるはずだ。
どちらも劇団「デリシャスウィートス」との共演、彼女たちの情熱にも毎回頭が下がる。
見世物小屋のことを知りたければこちらの本もおすすめだ。
http://hoppykosey.exblog.jp/15060909/