「あらかじめ喪われた世界へ」 水族館劇場
2013年 06月 10日
日本語がわからない外国人であっても感動すると思うからだ。
★プロローグで魔法をかけられる
蜃気楼劇場に入る前の夕暮れどき、恒例の野外芝居はこれから始まるストーリーの伏線となっている。思わぬところに舞台と役者が出現するのがオキマリの楽しみ。
今回は空から役者が降ってきたりした。
★緻密なセットの第一幕
寄せ場の猥雑な街に教会、あいまい宿、呑み屋・・・そして猿(本物、生きてる)。
そしてそれ以上に猥雑で強烈な人たち。
黄昏時、その街にたどり着いたヒロインの秋津。
舞台奥の上方には泪橋が架かっている。
一幕のクライマックス。
突然舞台が左右に割れ巨大なプールが出現。
そして上空から夥しい水が上からなだれ落ち、プールからも激しく水が噴きあがった。
これぞ水族館劇場の真骨頂。
このシーンのために最前列客にはあらかじめ水避けのビニールシートが用意されている。
水煙で埋め尽くされずぶ濡れの役者たちの絶叫が轟くなか、上空から黄色のトロッコ列車がゆらりと降りてくる。
★コミカルな幕間
客席内で繰り広げられる風兄宇内らによるショートプレイ。
その間、幕の裏からひっきりなしにドスンドスン、カンカンカンと激しい槌音。
20分くらい大工仕事が続いた。
この幕が開いたときどんな光景が出現するのだろう・・・嫌が応でも期待が高まる。
客席上空にいるジンタが高まっていよいよズタボロ幕がふたたび開く。