ハンナ・アーレント その2
2014年 02月 06日
このことについてはもう少し描いてほしかったと思うのだが、興行に影響を与えるから回避されたと考えるのは考えすぎだろうか・・・
2年前にアウシュビッツに行ったとき、収容所の建物の一階にほかの収容者とは比べ物にならない、といってもボロいけど、快適そうな部屋があった。
そこがユダヤ囚人頭、「カポ」たちの居室、大変な怒りと情けなさを覚えた。
映画「シンドラーのリスト」でも「カポ」の悪どさが描かれていたと思う。
しかし頭も冷えてきて、考えさせられた。
カポたちは、結局はガス室に送られると知りながらも、必死に生きるためモラルも人間性も捨てた。
仏教でいう餓鬼畜生。
しかしそこまで彼らを追いつめた主犯がいるはずだ。
再びワタクシに立ち返ってみる。
根性無しのワタクシだから、カポを希望しないまでも、カポに選ばれた時にYESといったかもしれない。
これまでも目の前にぶら下げられたつまらないニンジンに飛びつこうとした情けない自分がいたからね。
でもニンジンが若くてきれいでグラマーでやさしくてお金持ちなネエチャンなら話は別である。
*ハンナは師匠の哲学者ハイデッガー(教科書的有名人)の愛人であった。
この作品には、未練がましいハイデッガーをハンナが切り捨てるシーンがある。
ハイデッガーはナチスに入党しているのだが、ハンナとの関係にそれがどんな影響を与えているのか、あるいは与えていないのかが興味深い。ニーチェもルー・ザロメの性の手ほどきによって哲学者になるしかなかったとワタクシは思っている。
あと少々ズレるけれどギャンブルは貧乏人どもの金の奪い合いである
奪うなら違う人からだろう...