オランウータンを人間にするには
2016年 10月 16日
佐川峻「サルは言語を理解するか」には次のようにあります。
京都大学霊長類研究所の松沢哲郎教授がチンパンジーのアイと、図形文字のボードを持って一面にタンポポが咲いている土手に出かけた時、「きれいだね」と1本を折ってアイに見せると、アイは指を伸ばして図形文字の「黄」を指した。「リンゴを下さい」のような要求だけでなく、ヒトと会話もできるのである。
チンパンジーやボノボは笑うが、その笑い方はヒトのように「アハハハ」とハを続けて笑わずに、「ハッハッハッハッ」と区切って笑う。ヒトは息を止めて連続してハを発音できるが、サルは発音するために、息を吐く、吸う、吐く、吸うという動作がいちいち必要。発声器官がヒトほど発達していない。ヒトの流暢な発声は、大きなのどとよく動く舌が基本になっている。サルはこの点で発達していない。このために言葉をしゃべれないのである。