川上弘美   追記あり

正月から川上弘美の小説を読んでいる。
短編が多いから100話くらい読んだだろうか。

最初に読んで、あまりの素っ頓狂さにビックリしたのが「消える」だ。
文春文庫「蛇を踏む」に収録されている。

読みはじめると不可思議なことが淡々と描かれる。
ものごとの約束事や境界線がズルりと溶けだして、アッという間に変な世界に連れ込まれる。
芥川賞を受賞した「蛇を踏む」にもびっくりしたが「消える」はそれ以上の印象。

この作品をきっかけに彼女の作品を読み漁っているが、今のところほかはそれほど素頓狂ではないようだ。
しかしどの作品にも艶めかしさが薫っていて魅力的だ。



追記:2月下旬
ほかの作品を読み漁ってたが、うーむ。
どれもさほどではなかった。

「蛇を踏む」「消える」は格別だ。
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by HoppyKosey | 2014-02-19 00:47 | book | Comments(1)

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海の生物にとって川から流れくる水の大切さ
そして水源地や流域の森林の大切さを
科学的に、しかも具体的かつ平易に説明している。山陰のたたら製鉄と宍道湖のシジミのつながりなど、想像もしなかった、


著者の畠山さんは気仙沼でホタテと牡蠣の養殖をしている。
全国の漁師や水産、生態研究者とも面識が広く
また地元気仙沼で長いあいだ植林活動に取り組んできた。


この本は名著だ。


畠山さんも震災で家族を失い、養殖施設も、そして海そのものも壊滅的な被害を受けた。
現在再起に向けて奮闘中とのことだ。
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by HoppyKosey | 2013-06-02 22:58 | book | Comments(1)

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掛け値なしに面白い。
ウミガメの牧場をつくったりアザラシの群れと友達になったり
規律を持ってポジティブに暮らし、救出の望みを確信し労働することで生き抜く。
明治の漂流体験者からの聞き書きというスタイルの小説。、
ワクワクしながら一気に読み終わった。
愛読書と尋ねられたときは「ロビンソン・クルーソー」と答えていたが、
この本にも興奮した。

底本のデータがこちらで閲覧出来る。
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/888658/1便利な世の中だなとつくづく思う。
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by HoppyKosey | 2012-10-16 00:41 | book | Comments(1)

ナンシー関

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久しぶりにナンシー関氏の文章を読みました。
あらためて文章のキレのよさには惚れ惚れします。
芸能ネタが多いのですが、そっちに疎いワタクシでも思わず笑ってしまいます。
特徴を引きだしデフォルメする技術は彼女の消しゴム版画にも発揮されています。

来年は没10年になるそうです。
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by HoppyKosey | 2011-11-12 17:47 | book | Comments(1)


例えば、喫茶店のマスターにしてもそうだ。毎日コーヒーを淹れているうちには、豆の挽き具合や湯の温度がピタリと合い、会心のコーヒーができる時があるのだろう。そんなときの喜びは本人にしかわからない。


あるいは、会社に来る、鉢植えのリース屋だってそうだ。「今回のポインセチア、いいでしょう」といつも自慢気に言っている。素人目にはどこがどう違うかわからない。が、専門家にかかれば、その僅かな違いが誇りにもなり、生き甲斐にもなるのだろう。


そのために、人間は働くのだ。


それを人間の尊厳という
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by hoppykosey | 2010-09-05 16:06 | book | Comments(2)

女優にむかって監督は・・・

「華ってのはね、人に決して甘ったれて生きていかないって意志のことなんだよ。
死ぬ寸前にだって決して神さまに手を合わせたりしない意志のことなんだよ」

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by hoppykosey | 2010-08-31 21:12 | book | Comments(2)

新人女優を連れて売り込みに来たマネージャーに映画監督が・・・・・・・

「あの娘は銀行のOLあたりで十分人生を楽しんでいける女だ。わざわざ悪所に入ってくることはない。それにこの世界、
才能のないヤツに期待を持たせるほど罪な話はない
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by hoppykosey | 2010-08-31 21:06 | book | Comments(2)

社宅街

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鉱山萌えのワタクシ、一気に読み終えた。
鉱山町は忽然と出現しきらびやかな栄華に酔い、そして資源の枯渇でかならず衰退しさいごに消滅する。ここが滲みるだよ。

第1部では社宅の先進性、街の形、コミュニティの特徴などを概観、第2部では具体的な地域を紹介している。

「北海道・苫小牧」

王子製紙が単独でつくった企業城下町、開拓北海道ならではだ。苫小牧は北海道の海の玄関のひとつ、フェリーで街に降り立ったとき出迎えてくれた、独特のくぐもった甘い異臭を今も憶えている。

「北海道・鴻之舞(こうのまい)金山」
オホーツク紋別から山に入った厳寒の地、戦争中はたくさんの朝鮮人ロームシャが投入されたはずだ。辛かったろうなあ・・・紋別は今、流氷観光シーズン。行ったことないが多分行くこともないだろうな・・

「岩手・釜石」

赤錆っぽい・・・・というのが訪問の第一印象。駅もすでに新日鉄構内という感じ。でも死に体かな。そうそう、この街には観光で人気の橋上市場がある。

「秋田・小坂」
かつて、専用鉄道で秋田の山中を小一時間行くと、そこに最大6万人が暮らす独立国のような街があり、夜は銀座より明るいといわれるほどの繁栄だった。いまは数棟の保存建築が静かに佇んでいる。そのなかの「康楽館」という芝居小屋は若い人たちの手で元気に現役稼動していて嬉しかった。行ったのはちょうど今頃、雪と春が譲り合っている季節だった。よかったよ~

「茨城・日立」

常磐自動車道でこれまで何度ICを通り過ぎた。もともと「大煙突」を見たいなぁと思っていたが数年前に途中からポキリと折れてしまった。HITACHIの原点はこの日立鉱山の排水ポンプだそうだ。よし、行ってみる!

「岡山・倉敷」100年以上前、倉紡の2代目社長大原孫三郎は、労働と生活と芸術文化が融合した理想都市の建設と健康福祉活動に真摯に取り組んだ。実業家のこういった高い志、ベンチャー企業の社長たちはどう思うかな・・・ホリエモンさんは元気かしらね。
来週行く予定だったけどキャンセルになりました。

「愛媛・新居浜」
別子銅山から運ばれてきた銅を精錬する街、その後煙害により精錬所は瀬戸内海の四阪島へ移されて四国山中から島までの輸送ラインがつながった。島は亜硫酸ガスにより丸裸、そこに苔のように社宅がびっしり。
小学校5年のとき、瀬戸内海航路の甲板から煙突だけが目立つハゲ小島をいくつか見た。四阪島だけではなかったようだ。理由はわからなかったが無性に恐かった。

「樺太」「台湾・金瓜石鉱山」「南洋群島」これらはかつての植民地に残された日本企業の社宅街も紹介されている。

社宅街~企業が育んだ住宅地   社宅研究会・編著 学芸出版社
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by hoppykosey | 2010-03-14 18:07 | book | Comments(2)