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余震

阪神淡路地震のときボランティアで避難所に泊まり込んでいた時のこと。

家に残してきたものをとってきてほしいと被災者に頼まれることがあった。身寄りがない一人暮らしの老人だ。

家の前まで一緒に行く。家の周りにテープが巻かれて赤い紙が貼られている。
赤い紙は危険なので撤去、居住不可。黄色の紙は補修すれば居住可という印。

傾いた家の中に入るのは難しい。玄関の扉や窓はまず開かないし、壊れた窓からなんとか入ったところで室内は家具が転倒しガラスが散乱していて、体重を置くべき足元に困る。

おばあさんのいう、「最初の畳の部屋の箪笥の一番上の引き出しに入っているはずの書類の包み」がどれなのか見当がつかない。

床や壁や天井が傾いた家というのは平衡感覚がおかしくなる。無駄に踏ん張ってしまって思うように動けない。

もしこのとき強い余震が来たら閉じ込められて死んでも不思議はない。

夜のボランティ・アミーティングで、今後しばらくは「赤い紙の家」には入るのをやめよう、ということになった。

次の日、別のおばあさんに、そこの先の家やねんけど、トーチャンの位牌を仏壇から持ってきてくれんかなあ、と頼まれた。
Commented by かみしろ at 2011-02-27 15:36 x
ニュージーランドには位牌はあるのか?
by hoppykosey | 2011-02-26 22:27 | ひとこと | Comments(1)

お気楽にどうぞ


by ほっぴいこうせい