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極私的エロス・恋歌1974

ドキュメンタリーの原一男監督16mm作品 沖縄で撮影された。「返還」直後だ。
初めて見たのは1980年夏の、ある上映会だった。初めてといっても多分1回しか見ていない。

強烈な作品で30年以上経った今でも窒息させられるような印象を覚えている。
見終わって混乱したワタクシは、いろんな人を捕まえてこの映画のことを喋ることで自分を整理しようとした。

圧倒的なのはノーカットの出産シーン。
そして、母親が叫ぶなかでようやく産まれた色黒の嬰児は息もせずだらりとしていた。
上映劇場全体が凍りついた。

どれだけ時間が経ったのだろう、背中をポンポンと叩いたり逆さにしたり・・・
突然嬰児が産声を上げた。
劇場はこの声に震え、客席からのすすり泣く声で埋め尽くされた。

沖縄、ベトナム戦争、産む性・・・これだけでもテーマがいっぱいいっぱいだが、
この女は原一男監督が別れた女で、彼女がほかの男の子供を産むところを撮影していたことを最近知った。

来週月曜に上映会がある。
かつて見たときの自分と向き合う意味でも行ってみるつもりだ。

その後、ほかの原作品を見ることが何度かあったが、原一男は怖いとつくづく思う。
現実というものは怖いものをたっぷりと内包している。過去、現在、未来にわたって。
でもそれは見ないようにごまかし繕って、ようやくワタクシは暮らしている。

それなのに瘡蓋をはぐような原一男なのである。















のドキュメンタリー
Commented by かみしろ at 2012-12-12 21:15 x
僕と一緒に見に行ったよね。
by HoppyKosey | 2012-12-12 20:26 | 映画・舞台 | Comments(1)

お気楽にどうぞ


by ほっぴいこうせい