
国道6号線を北上し、富岡駅という案内に従って右に折れる。
富岡駅は津波に直撃されていた。
駅周辺は2年半たった今もまったく手つかずの地獄絵図のまま。
ここは除染作業も行われていなかった。全く人の気配はない。
居住制限地域だということを後で知った。
ホームの向こうの草むら越しに広い海が見える。震災前は建物が建っていて海など見えなかったそうだ。
街の人たちは逃げおおせただろうか。
これは駅の陸側


復興は皆無、完全に見捨てられている。
原発さえなければこんなことにはならなかった。
遠くに新しいアパートが見えたから住民が戻って新築したのかと近付いてみたらこのとおり。
涙が出そうになった。
駅から少し離れた町の中心部、ここは津波の被害はなかった。でも放射能が降りそそいだ。
整然とした美しい街並み、広い街路。立派な町役場に消防署。

違和感たっぷりの瀟洒な東電のPR館。
一瞬のうちに人が消え去ったゴーストタウンは駅前の壊滅とはまた違う深い恐ろしさだ。線量計を持ってくればよかった。

常磐線の線路、いわき方面を振り返ってみる。
さらに国道6号を北上し、次の夜の森(よのもり)駅をめざした。