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「牛と土」 眞並恭介著

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福島の被爆地で殺処分を受け入れずに今もたくさんのうれなくなった牛を飼い続けている人たちのルポ。

第1章の最後にこう書いてある。

餓死にしろ安楽死処分にしろ、どうせ牛は殺されて肉になるのだから、という人がいる。だがそれは「幸せな死に方」なのか。やっぱり牛にとっては屠畜場で肉になり本来の使命を全うするのが、一番幸せな死に方に思える


牛飼いたちは、被爆の生き証人として被爆の影響を追跡するために牛を飼い続けるべきだとし、また自分自身も警戒地域で牛とともに被爆し続けることで健康面での貴重なデータを残せると考えている。
一方、行政は殺処分が基本であるとし、飼い主が自分の牛に餌を与えるため牧場に立ち入ることも警戒区域内であることを理由に認めようとしていない。

牛飼いの一人である「希望の牧場」の吉沢正巳氏は全国に餌代などの寄付を募っているほか、たびたび上京し政府や人々に訴えている

銀座のエルメスギャラリーで開催中の「境界 高山明+小泉明郎展」で高山氏による「希望の牧場」の牛たちが映像作品として紹介されていた。モリモリと餌を食む牛たちの力強い鼻息が印象的だった。

この日、ワタクシが霞ヶ関から銀座へ歩いていると、奇しくも「希望の牧場」の宣伝軽トラが通りかかった。けん引されたトレーラーには「望郷の牛」

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写真は「やま本宗補の雑記帳」のサイトからお借りしました。


*「望郷の牛」 The Cow with Nostalgiaは知足 美加子(ともたり みかこ)さんが制作、震災後「希望の牧場」に寄贈されました。
Commented by かみしろ at 2015-09-21 22:14 x
被爆した牛肉や牛乳はたべたくないし、被爆した餌も食べさせたくない。
by HoppyKosey | 2015-09-25 00:57 | 本のこと | Comments(1)

お気楽にどうぞ


by ほっぴいこうせい