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百聞は一見如かず 六ケ所村核燃料サイクル施設

とかくニュースなどに取り上げられる青森六ケ所村の核施設
このたび行ってみることにしました。


野辺地から下北半島を車で北上すること約1時間
巨大なトンボロ(陸けい砂州)のような平坦地形で荒涼とした大地が続きます。
冬の厳しさは想像以上のものでしょうが夏も「やませ」という海洋性冷風により農作は困難
車窓は牧草地、荒れ地、林です。

六ケ所村に入ると林に囲まれた近代的な巨大施設群が見えてきました。
日本原燃の核サイクル関連施設エリアは広大、車でぐるりと回ると30分ほどかかりました。

ここにあるのはまず「①燃料工場」1992年より稼働
ウランを加工し全国の原発に供給してきましたが原発の多くが現在停止中です。

「②低レベル放射性廃棄物保管場」1992年より稼働
全国の原発から運び込まれる廃棄物をドラム缶に詰めて埋めています。

「③レベル放射性廃棄物保管場」1995年から稼働
イギリス、フランスに運んでガラス固化を委託、戻ってきた固化体を埋めています。
国内では固化がまだできないのです。

「④再処理工場」着工して30年がたちますが安全基準がクリアできず完成の見通しが立っていません。
原発廃棄物からウランとプルトニウムを分離取り出して再利用に供する予定でしたが
プルトニウムを燃やす増殖炉開発は中止されました(もんじゅ)。

日本原燃の現地PRセンターではこの「再処理工場」の仕組みなどを再現紹介しています。

「⑤MOX燃料工場」これも工事中 大型のクレーンがいくつも見えます。
再処理工場で取り出されたウランとプルトニウムを混ぜてMOX燃料にする(プルサーマル)工場です。
既存の原発でも使用できるため現在国内4基で利用中ですが再処理とMOX作成はフランスに委託しています。

これらの施設には立ち寄れませんがPRセンターの展望台から遠望することが出来ます。

整然と区画されたこの一帯には原燃以外の様々な研究施設も点在、海岸には専用岸壁があります。
警備はどこも厳重、テロリストに占拠されたら日本はもうお手上げでしょう。

六ケ所村には核関連施設以外に巨大な石油備蓄施設や大型風力発電所、メガソーラーもありました。
村には莫大な補助金が給付され各施設からの税収も潤沢なので立派な屋内プールや小中学校がありました。
また主に建築土木関係の雇用あり村外から働きに来る人も多いようでした。
確かに荒涼とした下北半島の中ではいびつながら活気があるともいえましょう。

全国の原発の後始末をする、そして廃棄物の再利用をするはずの六ケ所村ですが
実際に行ってみると当初のプランは霧の中、これからどうするかと考えると
にっちもさっちもいかない、詰んでいるのに投了できない・・・
そんな印象でした。

他にも考えさせられたことがたくさん、行ってみると本当に気づかされます。

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by HoppyKosey | 2024-06-21 00:00 | 出かけた | Comments(0)