「いすみ鉄道」代行バス

外房の大原から内陸の上総中野を結んでいる「いすみ鉄道」は10月の脱線事故で当面運休となっている。昨年も台風による土砂災害で3か月間運休したばかりだが今回は枕木が痛んでいたため線路幅が広がってしまったことが脱線の原因だそうだ。当初はその箇所だけ修復して運行再開の予定だったが調査の結果、ほかにも危険個所が見つかったため現在、運航再開の見通しが立っていない。

もともと「いすみ鉄道」の経営は極めて厳しく、収入のほとんどが鉄道輸送ではなく物販などに頼っていたがそれも今回の運休で打撃的な収入減となっている。

今回の修復には莫大な費用がかかるはずでその自力での捻出は困難だ。

社員30人の生活はどうなるのだろうか。

運行再開のめどが立たないので代行バスで大原駅から大多喜駅、大多喜駅から上総中野駅を乗り継いだ。小型のバスが沿線に沿って駅を紡いでいく。

乗客は鉄道ファンと思しき人がちらほら、地元の人は1，2人といったところで地方交通としてはすでに瀕死、沿線にある高校への通学生だけが命運を担っている状況は全国のローカル鉄道に共通する。

上総中野駅で接続している「小湊鉄道」にとっても「いすみ鉄道」の運休は痛手だろう。